人材管理

イノベーション巨人の世界へ I: 賢い人、難しい問題

ベル研究所は20世紀で最も革新的な組織の1つと言っても過言ではないだろう。

ベル研究所は電話の発明者であるアレクサンダー・グラハム・ベルによって創立された。それ以来、電波天文学やトランジスタ、レーザー、CCDイメージセンサ、情報理論、UNIXオペレーション・システム、CとC++プログラミング言語、太陽電池の開発に信用をおかれている。ベル研究所は7つのノベール賞を受賞している。そして今では、ベル研究所の研究と開発機関は世界中に展開している。

ベル研究所はかつてAT&Tに属していたが、1996年にルーセントによって買収され、2006年以来アルカテル・ルーセントグループのもと運営されている。

先月行われた「データセンターサミット2014」では、ベル研究所の研究と技術戦略の責任者であるクリストファー・アラン・ホワイト博士がベル研究所でのイノベーションの実践と今取り組んでいる分野についてエンタープライズ・イノベーションからインタビューを受けた。ホワイト博士は1997年にベル研究所で研究を始めた。彼の研究分野は量子化学、光ネットワーク、計算学的モデリングから組織における思想の伝播を理解し、円滑にすることにも関わり、多岐に渡っている。

ベル研究所における幅広い革新戦略について教えてもらえないでしょうか?

ベル研究所から生み出された偉大なイノベーションの多くは、研究者たちが何か偉大なものを開発しようと努力したからでない。それに、ノーベル賞を狙ったわけでもない。彼らが実際に見出そうとしていたのは産業における顕著な問題の解決策だった。

ベル研究所は産業における顕著な問題の解決策を見出すのに長けていると言える。実際、技術的な大きな問題は何かを定義し、問題を解決する突破口を見つけきている。有能な人材を雇い、彼らに問題を解決させるようにさせているが、驚くべきことはベル研究所の端で起きていると思う。こうしたことを我々は無視はしない。有能な人材に任せ、偉大なイノベーションを生み出させるようにしているのだ。

今年が、ベル研究所でウィルソンとペンジアスが宇宙波背景放射を発見してから50年になる。彼らはこの研究でノーベル賞を受賞した。その経緯を簡単に紹介しよう。まず世界で初めて通信衛星とやりとりができるアンテナを彼らは持っていた。そして、この衛星からの放射線が跳ね返ってきたんだ。彼らの研究には大きな技術的な問題があった。

しかし彼らはこのアンテナをどの方向にも向けられることができると分かったんだ。そしてノイズがあることも分かったんだが、このノイズがどこから来ているのか分からなかった。彼らはアンテナをニューヨーク市に当ててみて、またニューヨーク市から遠ざけてみた。その結果はノイズの原因になっているものは構造的な何かではないことが分った。そして、彼らはアンテナを改良し続けたんだ。

ペンジアスはアンテナの横で排便をしていたから、アンテナについた汚れをすべて綺麗にした。それでもこの信号は消えることがなかった。このアンテナはおそらくこの時代に造られたアンテナの中で最も繊細のアンテナだった。

彼らはプリンストンでビックバンの研究をしていた人達とやりとりをした。彼らの研究の初期成果によると、ビックバのある段階において宇宙マイクロ波背景放射と同じようなものが生まれるはずだということだった。偶然なことにウィルソンとペンジアスが発見していたものがぴったり、ビックバンのある段階で生まれるものとほとんど一致していたんだ。

ベル研究所がいろいろ模索して宇宙放射を発見した様に話されているが、ベル研究所の研究者達がノーベル賞を手に入れるために宇宙放射を発見しようと衛星とやりとりをしようとしたのではない。なぜ宇宙放射を発見したかと言うと、衛星を見るための設備を持っていたんだ。設備があったから衛星とやりとりをするようになった。そしたら余分なノイズがあることに気づいたんだ。そのノイズを見つけた時、これは重要なものではないだろうと思わずに、それが何であるかを追求し、それが驚くべきものであることを発見したんだ。

マーカス(ベル研究所の現在のそして13番目のアルカテル・ルーセント株式会社の社長兼最高技術責任者であるマーカス・ウェルドン氏)がベル研究所に携わるようになった時、私が与えれらた任務の1つはこれまでのすべてのノーベル賞受賞者について目を通すことだった。受賞者のほとんどの人達が大きな技術的な問題を解決していて、隅の方にあるちょっとしたことに注意を払ってきたんだ。その隅の方にあるちょっとしたことに気づいたことがベル研究所からノーベル賞を次々と出していることにつながっている。

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