ITが利用者中心になっていく現実に直面する最高情報責任者(CIO)

Computerworld 香港: 今日、MicrosoftはIT分野のリーダーとして、絶えずトレンドの変化に直面していますが、ここ数年でIT産業に起きている大きな変化は何でしょうか?

Alan Stone:2005年前半のテクノロジーの状況を覚えている。例えば、コンサートに行っても、携帯を持っている人はほとんどいなかった。私は昔かたぎのところがあるので、正直なところ、携帯のないコンサートのほどが好ましく思えるが、今日では、コンサートに行くと、みんな携帯に見入ってる。一体何事が起きているのかと思うかもしれないが、見渡すと私の子供も携帯に見入っているんだ。

ここで言いたいのは、今では、テクノロジーを簡単に利用できるようになっているために、予測もしていなかった、そして予想していたのとは異なる形で、我々がテクノロジーを活用し続けていることだ。テクノロジーは我々の世界との関わり方を大きく変えている。そしてこの事は、顧客や企業のスタッフの企業でのテクノロジーとの関わり方を変えている。今では、組織がテクノロジーとどう関わるのかをはっきり見据えることができなくなっている。

同僚の最高情報責任者(CIO)やITのリーダーと話しをすると、多くの企業がITとの関わり方をガートナーが掲げる項目に沿って実行しているのが分かる。実際、彼らはどうモーバイルを活用すべきか、モノのインターネットをどう扱うべきかを、ガートナーの提案に沿って決めようとしているのだ。私が知っているITの分野で先駆けの企業がしていることは、ITの素晴らしい機能を顧客や企業のスタッフに伝えようとしている事だ。これらの企業は、同時にこれらの機能を顧客や企業のスタッフの環境に合うようにもしている。IT 戦略は、単にチェック項目にチェックを入れることではないんだ。

Computerworld 香港: 直面している困難で特別なものばありますか?

AS: Microsoft ITでは、ユーザにどのように我々の製品を使ってもらえるようにするか、そしてユーザがMicrosoft ITを通して体験できることは何かを前よりも考えるようになっている。これは、私がITの分野で働き始めた頃のやり方とは異なる。当時は、ITのサーバーの視点に基づいてサービスを担当していたサービス・マネージャーがいた。サーバーが作動していたら、例えユーザがコンピュータが動いていないと言っても、サーバーは稼動しているから問題はないの一点張りだったんだ。私の見解では、こんな事は今では通らないよ。こういう事にならないように、今ではかなり徹底した対応をしているんだ。

Computerworld 香港:ITが利用者中心になっているというと、よくBYOD(私的デバイス活用)の話が出てくることがよくあります。前には、Microsoftの製品とAppleの製品を一緒に使うことは考えられませんでした。この状況は今では異なっていますか?

AS:今では、BYODについて話題にすることはほどんどなくなっている。なぜならデバイスは関心の的ではないからだ。今では、ユーザはあらゆる種類のデバイスやアプリを使っている。彼らにとって重要なのは、彼らが必要なことを可能にしてくれるものを的確に選ぶことだ。つまり、企業にとって重要なことは、持っているデバイスではなくて、企業がどんな存在なのか、企業が何を必要としているかなのだ。

今日、Microsoftは、我々の環境に存在するすべてのデバイスのサポートをしている。我々がしていることは、それぞれのデバイスや、管理方法を評価している。そして、次に、その企業が何者なのか、どこにあるのかという事が企業の内外でデバイスをどう使うかの決め手になる。

我々が目指していることは、企業が生産性と見なすいかなる生産性の障害になっているものを取り除くことだ。このため、ユーザにデバイスを使える環境を与えることと組織を維持することをバランスよく行う必要がある。おそらく最高情報責任者(CIO)は、この地球において2番目に非難を受けやすい存在だと言える。非難を受けながらも、我々の役目は人々の生産性を高めることでもあるのだ。

問題なのは、「何もかもが止まった時のコストはいくらかかるのか?」、「機会費用はいくらかかるのか?」ということだ。IT産業全体において、我々はあらゆる地域やビジネスのテクノロジーを司る組織として、このバランスを保つのに奮闘している。それぞれの企業が、それぞれのバランスを見つける必要があるのだ。

Computerworld 香港: 販売をしていない企業の最高情報責任者(CIO)は、IT分野のトップは、あらゆるテクノロジーやソフトウェアを持っているから、仕事は楽になっていると言っています。これは本当でしょうか?

AS: 世界において、我々は18か国の40か所のオフィスを持ち、30,000もの雇用を抱えている。この18か国は、先進国だけでなく、まだ未発展の市場もカバーしている。働くにはとてもダイナミックな環境と言える。Microsoftで働く人は本当のIT組織の経営方法を知らないという同僚もいる。