顧客管理

コミュニケーションの新たなトレンドが、カスタマーサービスを変える

 カスタマーサービスは企業と顧客の主要な接点になることが多いため、しばしば組織の心臓とみなされる。コミュニケーション・トレンドが進行し、顧客のニーズも変わりつつあるため、カスタマーサービス対応が顧客にとって重要であり続けるためには、最新技術を取り入れて競争で優位に立たなければならない。

 伝統的にコールセンターは、電話で情報を探している顧客にとって、もっとも重要なコミュニケーション・プラットフォームだった。今日でも、音声でのやりとりに主に対応しているセンターは多数あり、顧客対応の第一の窓口となっている。一方、カスタマーセンターやカスタマーサービス部門では、ウェブ・チャット、電子メール、ビデオ通話などより多くのコネクション・プラットフォームを運営するようになったため、顧客にとってのチャネル選択肢はより幅広くより動的になっている。

 企業とやりとりする媒体としてチャットやメールを好む顧客はますます増えている。それはチャットやメールはむやみに私生活に入ってこないからだ。音声でのやりとりは、緊急の場合や解決しなければならない問題が大きい場合にもっとも望ましい。チャット・セッションは、企業のウェブサイトから担当者と直接やりとりができるリアルタイム・サポートとして人気がある。メールは、対応可能でもっとも知識のある窓口に割り振られる可能性があり、自動返信メールが送られてくるので、一般的な質問の場合はもちろん、細かい質問をするときにも役に立つ。モバイル・デバイスは移動中にサポートを受けるときに利用されている。企業が自社のカスタマーサービス部門にこれらのコミュニケーション・チャネルを加えれば、より柔軟な対応や個人の嗜好に合ったカスタマー・エクスペリエンスを提供できるようになる。コミュニケーションのマルチチャネル・オプションに投資する組織は顧客の理解を深めることができ、その結果、収益も伸ばすことができる。

ユニファイド・コミュニケーション(UC)でカスタマーサービスの変化が加速

 カスタマーサービスが進化するに従い、単一のプラットフォームで多様なタスクを同時に処理できるユニファイド・コミュニケーション(UC)によって企業の日常業務のあり方は大きく様変わりした。2013年のForresterの報告によると、カスタマーサービスにおけるチャネル利用比率は過去3年の間に大幅に変化した。ウェブベースのカスタマーサービスが12%上昇し、チャットは24%、ソーシャルメディア・サービスのプラットフォームは25%それぞれ上昇している。

 通常、ウェブ・チャットやメールは音声通話よりも費用対効果が高い。音声通話がキューで待機状態になると、ネットワーク・リソースが不必要に消費されるからだ。ひとたび企業に通話が入れば、電話をかけてきた相手のニーズを把握するのに数分はかかるかもしれない。このような通信費は大したことがないように聞こえるかもしれないが、特にカスタマーサービスの組織が大きい場合は金額がかさむ。特にウェブ・チャットは企業が複数のセッションに同時に対応できるためマルチタスク処理に適しており、費用効率が非常に高い。

モバイル・デバイスがカスタマーサービス・エクスペリエンスをパーソナル化

 モバイル・デバイスが普遍的なものになると、世界中のあらゆる業種の組織が大改造されることになった。カスタマーサービス部門も例外ではない。カスタマーサービスの担当者は、多くの人がモバイル・デバイスでのコンタクトを好むことに気がついている。通勤中や列に並んでいる最中に移動しながらやりとりをしたい、自宅に固定電話がないので職場で話をしたい、音声とテキストメッセージを組み合わせて連絡を取りたいなど、その理由はさまざまだ。今日のモバイル・デバイスのユーザーに対応するために、カスタマーサービス組織は企業向けのモバイル・ソリューションを取り入れなければならなくなったが、それが大きな強みにもなっているようだ。

 一般的に、1台のモバイル・デバイスはひとりの個人とつながっている。カスタマーセンターがモバイル・デバイスから通話やテキストメッセージを受信すると、その発信者個人のことをカスタマーセンターが知っているだろうという前提のもと、アプリケーションがルーティングや優先順位を決定する。同じ電話機を複数のユーザーが共有している可能性のある企業や自宅電話とのやりとりとは対照的な方法だ。これにより、顧客プロファイル情報をさらに充実させ、カスタマー・エクスペリエンスを向上させるために必要な情報が担当者や組織にもたらされる。

 また、モバイル・デバイスによって、テキストメッセージやチャットは企業と顧客をつなぐ費用対効果の高い手段として、企業で幅広く活用されるようになった。つまり、テキストやチャットが、関連する情報やサービスを伝播し、コストパフォーマンスや生産性を向上させるものになったのだ。

 モバイル・デバイスのこれらの利点のひとつひとつが、企業利益の増大に役立っている。さらに、カスタマーサービス専門の組織があれば、ほかの部署は顧客とのやりとりに時間を割かずにコア業務に専念できる。

カスタマーサービスの未来

 これからのカスタマーサービス組織は、今まさに産業界で進化しているこれらのテクノロジーの上に築かれることになるだろう。モビリティは企業活動にとってますます不可欠になると思われるため、カスタマーセンターはモバイル戦略やモバイル・デバイス対応に力を入れていくことになりそうだ。

 人気が高まっているビデオやソーシャルメディアは、次世代のカスタマー・コミュニケーションに影響を与えるようになると思われる。ビデオソリューションは、ホテルのビデオコンシェルジュや複数のビルに入っている企業の受付など、ごくニッチな場面で使われていることが多い。しかし、ビデオをカスタマーサービス組織に備えるべきであると示す事例が出てくる可能性もあり、そうなればビデオが最新式のUCソリューションの一部に組み込まれることもあり得る。

 加えて、企業は顧客とのコミュニケーションのためにソーシャルネットワークを活用できる。企業のなかには、マーケティング活動のため、あるいは顧客からのブランドに対する意見やクレームなどの投稿に対応するためのソーシャル・プラットフォーム戦略をきちんと持っているところが多いが、カスタマーサービスのためのソーシャルネットワーク・テクノロジーの活用は今も発展途上だ。

 実際には、企業のカスタマーサービス組織のほとんどは、ソーシャルメディアをウェブ・チャットやメールと同じように活用する用意ができていない。ソーシャルメディアはもっと複雑だからだ。ソーシャルメディアでは、サービス担当者のレスポンスの結果を全世界が見られるようになる。これはプライベートな一対一の対話とはまったく異なる。ソーシャルメディアが、メールやチャットや音声通話のように、より一般的なチャネルとして組織に入り込んでくれば、カスタマーサービスの責任者は自社のビジネスを最善の状態にするためにチャネルを適切に組み合わせる必要に迫られるだろう。

電話は今後もUC窓口の中核に

 電話は、利用可能なビジネスのコネクションツールのなかでもっとも確立されているので、陸上の回線を用いる固定電話がまもなく廃れるだろうとは企業は考えるべきではない。しかしビジネスでは、顧客に最善のサービスを提供するために、電話システムが効率的に使われるようにもしなければならない。生きた人間と口頭でやりとりをすることで、ほかの現代的なコミュニケーション手段を使うよりも速く生産的に状況に対処できる場合もあるのだ。

 テクノロジーが急速に進化しているにもかかわらず、カスタマーサービス組織は最晩年にある音声ソリューションを使い続けていくだろう。電話というコミュニケーション・チャネルは廃れていくのではなく、むしろ新しい革新的な要素や機能と組み合わせて運用されるようになるだろう。より新しいコミュニケーション窓口とともに固定電話を使うことで、事業の数値的な増益の原動力となる強固な単一UCプラットフォームが創出されるだろう。

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