リスク

始まりに過ぎないBSIの閉鎖

始まりに過ぎないBSIの閉鎖

最近の出来事としては2回目になるが、2016年5月にシンガポール金融管理局(MAS)がスイスのプライベートバンクであるBSIのシンガポール支店の商業銀免許を取り消した。これによりBSIはシンガポールのプライベートバンクを閉鎖することになる。

シンガポール金融管理局がBSIの他に金融機関を閉鎖したのは、コンサルティングサービスに関して深刻な違反があったためにシンガポールのジャーディン・フレーミング投信株式会社に閉鎖を命令を出した1984年のことだつた。

管理局はBSIバンクはマネー・ローンダリング(資金洗浄)の違反をし、また銀行業務管理を怠り、銀行員による大きな違法行為もあったと主張した。

BSIの最高幹部の6人とスタッフは、彼らが法に反することをしたかどうかの取り締まりを検察官から受けている。

 

BSI バンクの歴史

プライベートの銀行サービスを提供するマーチャントバンクとして、BSI バンクは2005年11月にシンガポールで営業を開始した。このシンガポールのBSI バンクは1873年に設立され、スイスに拠点をおくBSI SAの完全小会社である。

シンガポール支店が閉鎖されるが、BSIバンクは充分な資産があるので、責任と義務を果たすための充分な支払い能力があると顧客に請け合っている。またBSIバンクは親会社であるスイスのBSI SAから全面的に支援を受けている。シンガポール金融管理局(MAS)は、BSI SAのシンガポールのBSIバンクの閉鎖を監視するためにスイスで取り締まりを行っているスイス連邦金融市場監督機構(FINMA)と密接に協力している。

2016年2月に、スイスを拠点にするEFGインターナショナルは、ブラジルを拠点にする13億3000スイスフラン(13億4000ドル)のBTG パクチャルグループのスイスのプライベートバンクであるBSI株式会社を合併することに合意した。BTG パクチャルは比較的新しい実在するプライベートバンクによるブラジルの上位5位に入るマネーマネージャーに多くの富をもたらしている。BTG パクチャルがBSIを12億5000フランで買収したのはたった5ヶ月前のことだった。

シンガポールの子会社の資産と債務をシンガポールのEFG銀行 AGまたは親事業体であるBSI SAに移すことを許可するとシンガポール金融管理局は述べている。

 

違反の再発

2011年にシンガポール金融管理局はBSIバンクの取り調べを行い、BSIバンクの本社の政策決定において逸脱があり、また管理体制がしっかりしていないことが明るみになった。

2014年に、シンガポール金融管理局はBSIバンクの取り調べを再度行い、銀行の顧客のストラクチャー投資ファンドの原資産におけるデューデリジェンスにかなりの汚点があることが分かった。

管理体制が整っていないことが分かり、シンガポール金融管理局はBSIバンクが銀行のリスク管理プロセスの監視を強化するように指導した。

2015年には、シンガポール金融管理局の3回目の調査により、複数のアンチマネーロンダリングに関する規則違反とノンコンプライアンスが行き渡っていることが明るみになった。

シンガポール金融管理局による閉鎖命令は規制者が言っているように「不十分な管理体制が行き渡っていることは、シンガポール金融管理局の規則やコンプライアンス、管理条件に違反することや特定の社員による数多くの職権乱用、アンチマネーロンダリンの規制違反、BSIバンクの経営幹部の管理が甘く、効果的でないこと、許容範囲を超えたリスクカルチャーにつながる。」

 

アンチマネーロンダリングの違反の際の罰金

シンガポール金融管理局はBSIバンクに、文字通りシンガポール金融管理局(MAS)の通知(1014)(マネー・ローンダリングの防止とテロ資金対策)において41の違反に対して1330万ドルの罰金も課した。またシンガポール金融管理局はシンガポールの金融機関にアンチマネーロンダリングとテロ資金対策の規則に厳格に従うように求めた。

アジア太平洋地域のRisk Practiceの取締役であるTham Soon Kit氏(写真右)とWolters Kluwerが金融機関の多くが充分に気づいていること、つまりアンチマネーロンダリングの規則に従わないと金融機関の資産が差し押さえられ、凍結され、ホールセールの融資機関が変化し、規則違反の罰金が課され、滞在的にかかる財務費用を負担するさせるなどの金融機関のビジネスの運営を妨げる制裁がされることについて言及した。金融機関は問題が起きるのと同時に解決するが、このため限られた貴重な管理時間や運営に必要な資源の方向を変えがちである。

シンガポールの通過当局の社長であるRavi Menon氏(写真左)は、「我々がこれまでシンガポールの金融部門で見てきたなかでBSIバンクの脱税や職権乱用の最も最悪なケースである。この事はすべての金融機関がアンチマネーロンダリングの責任を本気でとる必要があることを切実に思い起こさせてくれる。管理はしっかりしたもので、絶えず監視し、管理体制はプロの水準を保ち、リスクについて意識することを重要視しなければならない。」と述べる。

BSIバンクの閉鎖は序の口で、シンガポール金融管理局がBSIバンク以外の金融機関や疑いがあり、普通とは異なる処理が行われた銀行口座を監視するため、これから数ヶ月のうちに他に多くの金融機関が閉鎖され、または金融機関に罰金が課される、または閉鎖と罰金の両方が行われる可能性がある。

「シンガポール金融管理局はシンガポールの金融システムにもたされた経済犯罪とマネーローンダリングを最優先するという脅威に反撃している。シンガポール金融管理局のBSIバンクへの決定的な対応がアンチマネーロンダリングの適切な管理またはその体制がない銀行では最も厳しい制裁がなされることに直面することが考えられることを示した。シンガポールの金融機関はアンチマネーロンダリングの義務を満たすための効果的な法的規制に直面すると予期しなければならない。」とLexisNexis Risk Solutionsの国際アンチマネーロンダリング・コンプライアンスの取締役であるChrisol HYPERLINK "http://www.enterpriseinnovation.net/article/combating-money-laundering-technology-702369308"  HYPERLINK "http://www.enterpriseinnovation.net/article/combating-money-laundering-technology-702369308"Correia(写真右)は述べる。

彼はシンガポールとスイスが今していることは、マネーローンダリングの国境を超えた問題と国際的な大きな法的な協力体制の傾向があることを示していると警告している。

「シンガポール金融管理局や他の規制者がマネーローンダリングの問題をより積極的に追跡するようになっているので、金融機関はアンチマネーロンダリングの義務が増えると予期しなければならない。銀行の経済犯罪の管理体制がより進み、広がっているように、アンチマネーロンダリングの義務が増えていることは新しい管理体制に課題を もたらすだろう。銀行の顧客は受益者の所有権の情報の身元確認をするためにより多くの情報を公開する心構えをしていなければならない。つまり情報を公開したがらない人たちは銀行のシステムにアクセスし続けるのが難しくなるのだ。」と彼は結論づける。

国境を超えた金融処理の量が増えていることに言及しながら、ウォルターズ・クルーワーのTHAM氏は「一対一顔を合わせてビジネスの関係を構築することが少なくなり、顧客のニーズが金融処理をより早くすることになっているため、アンチマネーロンダリングに骨を折ることやテロ資金に対する封止策を講じることが難しくなっている。」と述べる。

アンチマネーロンダリングの法的構造をもつASEANのメンバー国の法的構造の進展具合が様々な段階であることは国境を超えた金融処理を監視することにさらに挑む手助けにはならない。しかしながら、彼はアンチマネーロンダリングに対するASEAN地域の様々な努力は2015年にASEAN地域の経済統合を掻き立てるために立ち上げられたASEANの経済コミュニティによるアンチマネーロンダリングのプログラムを立ち上げる能力を高めるようである。

アンチマネーロンダリングの問題はリスクを基にしたアンチマネーロンダリングの政策と処置により取り組まなければならない、そして記録を適切に保存することをシステム化し、ソリューションを適切に分析することが必要だとThamは考える。これにより顧客のデューデリジェンスを実行することができ、処理のパターンを活発に分析し、金融機関がアンチマネーロンダリングのリスクに関する内部の規制に関する懸念に対応しやすくなる。

 

RELATED NEWS

RELATED ARTICLES

RELATED WHITEPAPERS