ビジネスとIT

新しくなったアルカテル・ルーセント・エンタープライズについて

(Matthieu Destot氏)アルカテル・ルーセント・エンタープライズ(以下、ALE、本拠地:フランス)は2014年10月1日に、アルカテル・ルーセント(フランス)傘下のブランドの一つとして、独立した事業体になりました。すでに100カ国以上で事業を展開し、主にネットワークマネージメントとネットワークセキュリティー、クラウドサービスを提供しています。

当社は長期的な投資や成長に重点をおいています。継続的長期的に研究開発(R&D)に投資し、品質の向上、サポートの質などを上げています。また、当社はグローバルに事業展開しているので、各国で開発する体制があります。ターゲットは中小企業や大企業、政府などで、さまざまなサービスを展開しています。マーケットは、ヨーロッパ、中東、アフリカで大きなシェアを獲得しています。特に西ヨーロッパでは、コミュニケーションソリューションのシェアはナンバーワンで、フランスでは2社に1社がALEブランドの商品を使っています。一方、システムインテグレーター(SIer)としてのビジネスも展開しています。地域や国にあった企業やSIerを選び、お客さまの期待に応える品質の認証プログラムを設けています。

4つの戦略で収益

(Matthieu Destot氏)

5年後には2倍の収益目標を掲げています。安定的に収益を上げるために4つの戦略があります。

1つは、OpenTouchとOmniSwitchファミリーといったプラットホームの開発です。2つ目は、新規マーケットの開発です。現在、欧州がメインなので、アメリカ、ロシアと中国を含むアジアパシフィック地域(APAC)の活動を充実させます。3つ目の戦略的柱は、業種に特化したソリューションの開発です。ホスピタリティー市場、ホテルのような観光業、データセンター、教育分野のために各業種の専用チームをつくり、R&Dや営業を担当し、サポートしています。4つ目の柱は、クラウドサービスです。今までクラウドというと技術面の話に偏りがちでしたが、ビジネスモデルはCAPEXモデルからOPEXモデルへと変革する時期が来ています。今後はクラウドを使った新しいビジネスモデルの開発をしていく予定です。

テレフォニーシステムを使用したホテルの事例

当社が得意とするテレフォニーシステムを使用したホテルの事例を挙げると、ホテル利用客はスマートフォンなどを持って宿泊するので、客室の電話が必要ではなくなっています。当社は、BYODを実現するために、宿泊客がチェックイン後Smart Guest Applicationをインストールすると、自分の端末で客室間の電話やビデオ会議が可能になり、レストランや観光系のエンターテインメントの予約もできる統合されたコミュニケーションソリューションを提供しています。この事例は、ヨーロッパだけでなく、シンガポールなどのホテルでも導入されています。

技術トレンドについて

(Matthieu Destot氏)今後の技術のトレンドと差別化のポイント、APAC戦略と日本市場について説明します。

今後、ネットワークソリューションは大きく変わると思います。この10年間、各ベンダーは独自のソリューションをつくっていたため、お客さまは一つの企業の製品を導入しなければならなかったのですが、SDNやSDNコントローラーが開発されたことから、ネットワークのあらゆる機能の設定や構成が可能になり、市場や競合他社の状況を変える大きなきっかけになりました。今後、SDNを活性化するために、市場はダイナミックに変わるでしょう。

4月にOmniSwitch6860という製品を発表しました。ユニファイドアクセスのため、統合したアクセス管理が可能です。今まで手動で構成を変更しなければいけなかった運用を自動化できることがポイントです。一度ユーザープロフィールを設定すれば、自動的にネットワーク全体に展開されます。さらにこの製品は、Deep Packet Inspection(DPI)で、どれが動いているのか細かいアプリケーション単位で確認してネットワーク全体のQoSを高めています。この製品は、オーストラリアの政府機関でクイーンズランドヘルスケアやシンガポールのJurong Healthで導入されています。

(和田賢一 氏) 日本の大病院や中小病院で導入例があります。

(Matthieu Destot氏)ビッグデータ関連では、データアナリティクスが主流になってくるでしょう。今までのビッグデータは、アプリケーションのビッグデータが重要視されていましたが、これからはネットワークのビッグデータが重要視されると考えています。データアナリティクスの活用で、どのアプリケーションがどのくらい帯域を使っているかなど細かいところまで確認することができます。当社の製品では、解析と解析結果を基にネットワークを再構成したりすることができます。

次のポイントは、セキュリティー面の向上が見込まれるということです。今までDOS攻撃があった場合、ネットワーク管理者が手動で解決するしかありませんでしたが、データアナリスティクスを使うことで、解決のためのルールをつくることができます。これはすべてオープンのインターフェイスのAPIを介して行いますので、運用面でも非常に改善されるのではないかと思います。

(BG・Poon氏)当社にとって教育分野は大きなターゲットです。DPIを使った大学の事例を紹介します。大学がDPIを使うメリットは、誰がどのアプリケーションを使っているのかを把握して、帯域やセキュリティーを確保していくことです。学生がリソースを使うようなアプリケーションを使おうとすると自動的にブロックすることで、教授や講師などに適切にサーバのリソースを割り当てることができます。当社のDPIソリューションは日本の大学でも使っています。

(Matthieu Destot氏)今後、APAC市場での新規の技術開発に投資を増やしていく予定です。アジアでは大きく4業種の市場をターゲットにします。一つはホテル業界です。新興国ではホテル業界は伸びる市場だと思います。日本では、教育やヘルスケアといったマーケットをターゲットにしています。新しい製品を投入してお客さまを獲得していきたいと思います。最後のマーケットは製造業界です。台湾、韓国ではこの業界が大きく、重要な位置を占めているのでターゲットにしていきます。

もう一つのアプローチとして、“ブレークスルー”をします。例えば、クラウドのマーケットであれば、インドはキャリアのネットワークが弱いことが理由でクラウド市場が成熟していませんが、パートナーを見つけて“ブレークスルー”したいと思っています。日本では、データセンターのソリューションとしてOmniSwitchを使ってお客さまを開拓します。クラウドは、日本の市場で成熟してきているので、クラウドとデータセンターを組み合わせてターゲットを絞って“ブレークスルー”します。

クラウドのビジネスモデル

(Matthieu Destot氏)クラウドのビジネスモデルは変わると思います。これまでソフトウェアベースだったソリューションをクラウド上で提供する準備は整っています。パートナー企業やSIerと共同で開発して、クラウドベースの製品を提供していきたいと思います。

プライベートとパブリッククラウドを例に説明するとお客さまは今後、プライベートクラウドに興味を持ち、移行していくと思います。メリットはOPEXベースの運用ができ、柔軟性があることです。それを自社のデータセンターで運用することで、セキュリティーの要件を付加するなど、必要に応じてカスタマイズできると思います。

クラウドについて今後課題になることは、クラウドに移行したいが、既存のシステムも使いたいというお客さまはハイブリッドモードでの需要が増えると思います。

クラウドサービスの成熟度はAPACでもまちまちで、一番進んでいるのが、オーストラリアで約20%移行しています。世界で見ると、進んでいるのは北欧や西ヨーロッパ、アメリカです。日本も次いでいると思います。APACでは、オーストラリア、日本、シンガポール、韓国が進んでいますが、その他の国では、クラウドを浸透させるためにはキャリアが強くならなければいけませんから、そういった意味ではまだまだだと思います。

(BG・Poon氏) クラウドには必ずデータセンターというインフラがあります。データセンターのコストの半分は電力だと言われています。電力のことを考えるとエコな環境づくりが大事だと思います。それをどう実現するかというと自動化によって実現しようとしています。

例えばある会社がキャンペーンを行ったとします。キャンペーンが始まって、お客さまがキャンペーンページに殺到した場合、ストレージやCPUにアクセスできなくなり、サーバはパンクします。このようなときに、一カ所に集中させるのではなく、ほかの地域のストレージにアクセスするためのトラフィックをリダイレクトさせるようなことをバーチャルマシーン(VM)で行います。当社のソリューションでは、自動でポートを割り当てることによって、自動で開閉します。

最後に、災害リカバリーについてですが、クラウドは物理的な場所に関係なくサービスを提供できます。Shortest Path Bridge(SPB)という技術があるのですが、マルチベンダーのソリューションとして確立されていて、データセンター間の接続を最適化します。もし、一つのリングが落ちても運用には影響がなく、データセンターを切り替えて運用することが自動的にできるように構築されています。

(和田賢一 氏)日本でも東日本大震災後、通信系企業で導入されています。

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